スタッフブログ 七転八笑

樋口強の楽屋での表情やテレビ撮影風景やスタッフの本音など楽しく笑える裏話を、いつもそばにいるスタッフの鋭い目線で書き綴ります!

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才能あり? なし?

いつも同じ場所で見る景色がその時々で違って見えることがある。
その時の自分の気持ち一つで同じものが違って見える。
うれしいときは目に映るすべてのものが明るく輝いて見える。
つらく苦しいときはすべてが沈んで暗くなる。
誰の目にも正確に映っているはずの映像が感情というフィルターを通すとまるで別物に変身する。人間というのはなんと勝手な生き物であろうか。 

 

今日はそんな難しい話ではない。
新幹線から見える富士山が季節によってその姿を変える、という話。
霞がかかって遠くに見える残雪の春、積乱雲でなかなか顔を見せてくれない夏、澄んだ青い空に映えて間近に見える秋、全身真っ白で凛とした冬の姿・・・、富士山は一年を通してその姿を変えて私たちを感動させてくれる。 

 

私が一番好きなのは今の季節。田んぼに水が入って田植えが終わり大地が瑞々しい輝きを見せるこの時期と、残雪を頂く富士の姿がよく似合う。 

 

光る田に 映る富士消す のぞみ号 

 

田んぼに富士山が映るってすごく贅沢な景色です。その穏やかな初夏の景色を、時速270キロで走り抜ける新幹線の風圧が田んぼの水を揺らして富士山を消してしまう、という情景を詠んだんです。 

 

俳句の説明をするのは、小噺を解説するのと同じで自己否定につながります。それよりも今日の帰りの新幹線で見えたこの景色をお裾分けしましょう。(小風)

 

世間を味方につける

今日は私の相棒のお話。治療の大きな後遺症で体が不自由な私は毎日のリハビリが欠かせない。そのリハビリの一つがワンちゃんとの散歩である。トイプードルで男の子、名前は「のぞみ君」。今6歳。勢いと落ち着きが備わって充実した時期である。

 

夕方になると、のぞみ君は机に向かう私に飛びついてくる。「散歩の時間だよ」と催促してくる。いつも同じ時間だ。毎日ほぼ1時間。花の咲く遊歩道や静かな公園や並木道を、のぞみ君はその日の気分でコースを決めて力いっぱい引っ張ってくれる。犬を散歩させるのではなく、「のぞみ君に散歩をさせてもらう」という仕掛けだ。

 

時には下校中の女子中学生の集団とすれ違うと、「わぁ、かわいい」と駆け寄ってくる。「名前、何ていうんですか」「のぞみ君」「えぇ!? 私とおんなじ名前だぁ」みんなで笑って騒いでいる。私が一人で歩いていたらこんな光景には出会わない。のぞみ君が作ってくれた新しい世界である。

 

複数ある散歩コースはどれも芝生のある大きな公園が目的地になっている。ここへ行くと、草や土などの大地とふれあえるし、たくさんの犬仲間と会えて、「のぞみ君、元気だね、よしよし」と飼い主さんたちに可愛がってもらえる。のぞみ君はそれを知っているので、早くその公園へ行こうとして近道をしようとする。

 

『リハビリの ために始めた散歩道 なぜか近道 選んでしまう』これではリハビリ散歩にならない。そこで、正規のルートを行こうとするが、のぞみ君は一度決めたら譲らない、動かない、力も強い。お互いに「こっちだよ」と引っ張り合いが始まる。それが下の写真である。のぞみ君は公園への近道である写真の右側へ行こうとしている。両手を広げて踏ん張って横目で私をにらんでいる。

 

どう見たって私がワンちゃんをいじめているようにしか見えない。信号待ちで止まった車の中ではみんな笑っている。拍手をしている人もいる。自転車で通りかかったおじいさんは、「ワンちゃん、頑張れ!」と無責任に声をかけていく。

『世間をば 味方につける この態度』のぞみ君は一瞬にしてすべての人を味方につけてしまうのである。したいことや欲しいものはどんなことをしても手に入れる。イヤことは絶対にイヤ。鮮やかで清々しい生き方である。

 

本能で生きる--。のぞみ君に教わったこだわりである。そろそろ飛びついてくる時間だ。今日はどんな出会いがあるだろうか、楽しみである。(小風)

 

雪が溶けたら・・・

お変わりありませんか。越後湯沢の仕事場で著作原稿と格闘しています。氷が溶けたら水になる、雪が溶けたら・・・春になる~!! 真冬には積雪が2メートルを超えるこの湯沢にもやっと春が来ました。写真は湯元「山の湯」から越後湯沢の全景を臨んだショットです。 

厳しい冬からうららかな春へ申し送りをするように、遠くの山の残雪と満開の桜と青い空が同居しています。越後湯沢ならではの春の光景です。毎年この時期には、湯沢の源泉「山の湯」に浸かったあとは、おにぎりを食べながらこの風景を眺めます。

 

隣りには川端康成が小説『雪国』を書いた旅館があってその部屋「かすみの間」は今でも当時のままに残されています。逗留する島村のもとに芸者駒子が通ったという「笹の道」があります。笹が生い茂る急な斜面の坂道で、確かに旅館への近道ではあるがこの坂を着物で上り下りするのはつらかったことでしょう。この坂の下が神社になっていて、その境内には大きな杉の木がそびえ立っています。木の根元には平らな石があって自然のベンチになっています。駒子がここに腰を下ろして島村に言います。「ここが一等涼しいの。真夏でも冷たい風が吹きますわ」と。たしかに、夏にここに座ってみると涼しい風が吹き抜けて気持ちがいい。私の二つ目のお気に入りの場所なんです。

 

誰もいない静かな木の下で、「また一年が経ったなぁ」と感じる私のとっておきの場所二つを内緒でご案内しました。気分が変わると新しい発想も湧いてきます。「いのちの落語」も著作原稿もこんな場所で生み出されています。

 

 東京から1時間15分。皆さんもこの越後湯沢に来てみませんか。

残り少なくなったGWを楽しんでください。(小風)

 

◇父と向き合う

24日は立春。おだやかで暖かい一日でした。立春から春分までに風速8m以上で最初に吹く強い南風を春一番というそうです。梅一輪、春立ちぬ、春うらら、小春日和・・・。日本には季節を先取りするたくさんの言葉や表現があって、日本人てすごいなぁ、とうれしくなります。お変わりありませんか。 

91歳になる父が手術や合併症などで深刻な入院治療が長引き、妻と交替で姫路通いが続いています。 

合間を見て久しぶりに姫路城まで散歩してきました。小学生の頃には毎年桜の季節に写生をしたこのお城は、平成の大修理で天守が真っ白になりました。冬の青空に映えて一層美しく輝いて見えます。55年前を思い出したひとときでした。 

父とも久しぶりにゆっくりと向き合った。一人息子を自分の手元にしばらずに「世界を相手に思い切り仕事をしてこい」と、私を東京へ送り出してくれた父。肺炎の高熱に浮かされながら、「帰ってきたのか」と一言だけ。病状が落ち着いたので、今朝病室を出ようとすると、小さな声で何かを言っている。

「なに?」と問いかけると、父が一言だけ言った。
「風邪ひくなよ」。(小風)

 

◇幸せの黄色い新幹線

あけましておめでとうございます。

いつもスタッフブログを読んでくださりありがとうございます。皆様のご健勝を祈念いたします。今年もお付き合いください。

 今年も早速に始動です。新大阪駅で偶然にも「幸せの黄色い新幹線」に出会いました。架線や線路を走行しながら点検して新幹線と乗客の安全と安心を陰で支える保安列車です。その役割から「ドクターイエロー」とも呼ばれています。不定期の走行で時刻表にも載っていないのでめったにお目にかかれない。だから出会ったときはラッキー!そこで誰言うとなく「幸せの黄色い新幹線」と呼ばれるようになりました。新春から縁起の良い写真をお裾分けしましょう。

 今年は自分の体と心にもこの「ドクターイエロー」を走らせて笑って輝いて、自分で「幸せだ」と思えるように暮らしたいですね。今年もよろしゅうに。(小風)

img_2411(目の前に滑り込んできた「幸せの黄色い🚅」)